健康

円錐角膜の原因は目をこすること!見え方と治療の方法は?

最近、視力がもの凄く下がった、物が見えづらくなった、なぜかコンタクトレンズがすぐに外れるようになってしまった・・・。これはもしかすると円錐角膜(Keratoconus)という目の角膜に発生する非炎症性変性疾患かもしれません。円錐角膜とは、通常はドーム状をしている角膜が円錐状に突出(突き出してくる)してきて、角膜の曲率が鋭くなって視力が低下したり視界が歪んだりする病気です。

日本人が発症する確率は1000人から2000人に一人の割合で、ほとんどの場合は10歳代の思春期に発症し、徐々に進行します。自然に治るということはありません。しかし個人差はありますが、30歳代後半から40歳代になると進行はほとんど止まります

 

片目だけ発症することはあまりなく、左右の目で症状の程度に差はありますが、両目に発症します。ただの近視や乱視ならメガネや専用のコンタクトで矯正できますが、この病気にかかると視力の矯正が難しくなるため運転免許の更新ができなくなるなど、日常生活に支障をきたします。

最も多い症状

症状としては、乱視のように像がブレて見えたり二重、三重に見えたりします。初期症状として特に多いのが、コンタクトが合わなくなったり、遠くのものが見えづらくなったり、歪んだような見え方になることが挙げられます。

 

円錐角膜の症状が進むと、近視や乱視がひどくなったような見え方になり、メガネやソフトコンタクトレンズでは視力を矯正できなくなってしまい、ハードコンタクトレンズじゃないと視力矯正が不可能になります。

さらに悪化すると、角膜の奥の方にあるデスメ層(内境界膜)が眼圧に耐えきれなくなって破れ、その亀裂から目の中を循環している液体である眼内液(房水)が角膜の中に入ってきてしまい、腫れて急性水腫を発症してしまうことがあります。急性水腫になると、角膜が白く濁って腫れ上がり、見た目でも分かるようになります。

目をこすることが原因に

円錐角膜の原因は未だ不明の部分が多いのですが、遺伝的な因子とアトピー性皮膚炎が関係しているとされています。つまり、角膜の曲率が鋭くなりやすいという遺伝的な素因(隔世遺伝)に加えて、アトピー性皮膚炎になり目がかゆいからこすってしまうという環境的な要因が原因となり、発症すると考えられています。

事実、アトピー性皮膚炎を合併している患者さんは多く、さらに、家系の影響(家族性)で発病する割合が6%から19%もあるというデータがあります。目をこすることで円錐角膜が悪化してしまうのは間違いありませんので、罹患してしまったらできるだけ目を触らないようにすることが重要です。

 

円錐角膜は進行性の病気なので自然治癒はしませんが、軽症のまま進行が止まり、コンタクトレンズやメガネでの矯正で問題なく日常生活が過ごせることもあります。しかしながら、放置しておくと急激に悪化し、視力矯正ができず角膜移植が必要になる段階となり、病院に行って治療を受けないと薄くなった角膜が破れて失明の可能性もでてきます。

検査の方法

円錐角膜の検査は細隙灯顕微鏡検査で角膜の突出が見られ、さらに角膜形状検査において中央部分か中央より下方の曲率に異常が認められれば診断がつきます。しかしながら初期の場合や軽症の場合だと細隙灯顕微鏡検査では異常が確認できないこともあり、その場合は角膜形状測定装置(トポグラフィー)や前眼部画像解析装置(ペンタカム)、角膜形状・波面収差測定装置(アイトレース)という3つの最新の機械を使用して検査を実施します。

 

トポグラフィーは不正乱視の測定を得意としており、ペンタカムは角膜の断層面を細かく観察するとともに角膜に混濁(濁り)がないかをチェックすることができる検査装置で、アイトレースは波面収差を測定して眼球の高次収差を解析できます。

治療方法

治療の方法は角膜リングと角膜クロスリンキング(CXL)、角膜移植の3通りあり、この他にも初期症状でおさまっているならハードコンタクトレンズによる視力矯正、ピギーバック(piggybag法:目にソフトコンタクトレンズをのせたあとさらにハードコンタクトレンズをのせる視力矯正法)、円錐角膜専用のハードコンタクトレンズによる治療方法があります。進行度によってどの治療法を適用するかを決定します。

角膜リングとは

角膜リングによる治療は、別名でレーザー角膜リング、角膜内リング、ICRS、イントラ角膜リングとも呼ばれていて、直径5ミリから7ミリの半月状の形をした薄いプレートを角膜の中に挿入し、突出した部分を平坦化して視力の矯正やコンタクトレンズの装用を可能にする治療となります。

薄いプレートの素材はポリメチルメタクリレート(白内障の手術に使用されるものと同じ)なので、拒絶反応のリスクが極めて低くなっています。角膜リングを挿入すると角膜の強度も強くなるため、円錐角膜の進行を遅らせることも可能となります。ただ、目の表面の形は3ヶ月から6ヶ月ほどかけて徐々に変化するものなので、手術後すぐに視力が回復するわけではなく、少し時間がかかる(最短で約1ヶ月)のがデメリットです。

角膜リングの手術時間は約15分間で、まずはベッドに横になり、麻酔薬(目薬)を点眼します。そしてイントラレースレーザーやフェムトセカンドレーザーで角膜の中にリングを入れるためのトンネルと入り口を作ります。レーザーの照射時間は10秒ほどです。次に切開面からリングを2つ挿入し、切開面を1針だけ縫ってから消毒(抗生剤を含んだ目薬)をして、保護用のソフトコンタクトレンズを目にのせて終了です。

角膜リングのメリットは、万が一効果が得られなかった場合はリングを取り出すことができることです。レーシックのように元に戻せないということにはなりません。外来で手術することができ、手術が終わればすぐに帰ることができます。この治療法は2004年にアメリカのFDAから承認を受けている安全な手術です。角膜リングの手術費用はクリニックにもよって異なりますが両目で55万円から75万円が目安です。

 

ちなみに、視力が下がったからといって十分な検査をせずにレーシック(LASIK)の手術を受けるのは危険です。もし円錐角膜だったらただでさえ薄くなった角膜をさらにエキシマレーザーで削ることになりますので、レーシックを受けてしまったために角膜移植が必要なほど重症化してしまうことにもなりかねません。ドイツでは円錐角膜の患者がレーシック手術を受けることは違法となっています。

角膜クロスリンキングで角膜を強化

角膜クロスリンキングとは、リボフラビン(ビタミンB2)を含んだ目薬を点眼しながら365nmの波長の紫外線を照射することで、角膜を構成するコラーゲン繊維の結びつき(架橋する:クロスリンキング)を強めて強度を上げるという最新の治療法で、角膜拡張症(エクタジア)にも効果があります。

 

治療後に顕微鏡で観察すると、コラーゲン繊維の間に細い糸状のものが無数にでき、繊維で結合して密度が上がっていることがわかります。クロスリンキング(CXL)を行うと角膜の表面が少し平坦になるので、角膜リング手術と合わせて行うと近視を矯正する効果が高まります。手術時間は通常50分から1時間はかかりますが、円錐角膜の専門医(名医です)である冨田実医師のクリニックでは、CXL-365 vario System という最新の機械を導入していて、20分ほどで治療が完了します。

手術の流れとしては、まずベッドに横になり、麻酔薬(目薬)を点眼します。次にアルコールで上皮を柔らかくして角膜上皮を取り除きます。そしてリボフラビンを15分間たっぷりと点眼し、紫外線を約6分間照射します。最後に保護用のソフトコンタクトレンズを目にのせて終了です。

 

角膜クロスリンキングのデメリットとして、術後数日間は痛みがあったり、しみたり、涙が出たり、目の表面に異物感があったりします。また、角膜上皮細胞が再生するまでの数週間は一時的に視力が低下します。角膜クロスリンキングの手術費用は25万円から30万円となっていて、角膜リングほど病院間の治療費の差はありません。

この2つの治療法を組み合わせることで、完治とは言いませんがかなり視力が回復するケースがあります。ただし、角膜移植が必要になるほど重症になると視力の回復は鈍いです(裸眼0.05から0.1、矯正視力0.1から0.7などのケースが多い)。

 

東京の名医

もし円錐角膜の専門医に治療を頼みたいなら、東京の場合は冨田実アイクリニック銀座がおすすめです。東京メトロ日比谷線か都営浅草線の東銀座駅から歩いて1分の立地にある眼科専門のクリニックです。院長は医学博士でシュウィンド社から世界最高の執刀医として認定されている冨田実医師です。ハーバード大学に留学した経験を持つ彼は業界では知らない人はほとんどいないほどの名医です。

難病には指定されていない

難病情報センターの公式ホームページで検索してもらうとわかりますが、円錐角膜は国の難病に指定されていません(2017年12月現在、特定疾患は難病と呼ぶようになっています)。したがって、補助金は出ませんし医療費助成の対象にはなっていません。インターネットには間違った情報もたくさんありますので注意して下さい。

 

例えばコラーゲン・クロスリンキングによる治療は保険が適用されませんので自費診療となります。しかし角膜移植手術は自分で角膜を海外から輸入するなどして調達しない限り保険適用となります(通常はアイバンクから提供されます)ので、高額療養費制度の対象にも該当します。

角膜移植手術というと治療費が高額になりそうなイメージがありますが(実際に自費診療なら200万円以上です)、高額療養費制度を利用できますので入院費用や薬剤費などを考慮しなければ、ほとんどの方が自己負担額10万円程度となります。

 

ケースバイケースですが、矯正視力が規定以下の場合や重症になってしまった例では障害者手帳が交付されることもありますので、その場合は障害者認定され障害年金(障害基礎年金1級も可能性としてあります)が受給できます。

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