健康

胆嚢癌の症状と生存率!末期になると手術ができない?

最近、皮膚や白目の部分が黄色い(黄疸)、尿の色が茶色になったということはありませんか?それはもしかしたら癌の症状かもしれませんよ。胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんの3種類をまとめて胆道がんといいますが、この種類のがんは初期症状に乏しく、発見した時点で既に遠隔転移している人が約半数にもなる早期発見が難しく予後が悪い癌です。

胆道がんの罹患者のうち3割から4割の人は手術できないとされており、5年生存率は0%に近い数字となってしまいます。しかし、自分の体の調子を日頃から注意して確認しておけば、早期発見も不可能ではありません。それでは、胆嚢癌の症状を原因とともに以下に挙げていきますので、当てはまるものがないかチェックしてみてください。

 

胆嚢癌の症状

血液中におけるビリルビンの濃度が高くなり肌や白目の色が黄色くなり黄疸になる、胆汁が腸に流れなくなるので便が白くなる、尿にビリルビン(赤血球から出る老廃物のようなもの)が排泄されることにより尿の色が茶色っぽくなる(濃くなる)、胆汁酸が血中に流れ出し皮膚がかゆくなるといった症状です。

これらの他にも、右脇腹やみぞおちに痛みを感じる、吐き気、体重の減少、細菌感染による発熱、行き場を失った胆汁で胆嚢が腫れ上がり触知できるようになるクールボアジェ徴候(Courvoisier sign)などの症状も現れることがあります。ちなみに、クールボアジェ徴候が現れても、通常痛みはありません

 

末期の余命

末期になると遠隔転移による腹部の痛みや食欲不振、倦怠感(だるい感じ)、腹水、腸への浸潤による下血などの症状がでます。こうなると残念ながら余命は数ヶ月、良くて2年以内というケースがほとんどとなります。最悪、肝転移がある末期だと余命が数週間となることも覚悟しなくてはなりません。他のがんと同じく、高齢の場合は余命が短くなる傾向にあります。

血液検査と腫瘍マーカー

逆に、初期で発見できて、なおかつ20代または30代の場合は生存率は高いです。胆嚢癌は初期だと症状なしということも多いので、定期的な健康診断が欠かせません。血液検査をすると、胆道閉塞が起きてビリルビンやアルカリフォスファターゼが異常に増加していたり、ALPやγ-GTPが上昇したり、CA19-9やCEAが正常値から外れたりします。

ただし、胆のうがんに対して特異的な腫瘍マーカーは存在しないうえに、初期だと血液検査では異常が出ないため、検査としてはあくまでも補助的な位置付けとなります。

 

ステージと生存率

胆道がん(胆管がん、胆嚢がん)の生存率は、ステージ0なら99%、ステージ1期で60%から90%、ステージ2期はがくっと低くなり26%、ステージ3期は17%と予後は不良で、ステージ4期になると生存率は約3%しかありません。なお、データは全国がんセンター協議会の生存率共同調査のものです(2016年2月時点)。

胆嚢は薄い袋のような構造をしていて、粘膜層が薄いのでステージ1期の初期から肝臓やリンパ節に転移しやすく、ほかのがんと比較しても生存率は低いものとなっています。統計などのデータはありませんが、高齢者の生存率は特に低くなります(年齢でいうと60歳以上)。直径1センチ程度の胆道がんなら早期発見ですし治る可能性は高いです。

 

胆嚢癌の進行速度についてはケースバイケースなので何とも言えません。ただ、無症状のまま腫瘍が大きくなり、発見されたときには既に進行がんで手術不可能というケースが多いことは指摘しておきます。手術自体の成功率は高いですが、切除しきれなかったがん組織やがん細胞が再び増殖を始めることが多いので、術後の経過を予測したいのであれば生存率を参考にしましょう。

胆嚢にがんが発生する原因

胆嚢癌の原因は、特に胆石(胆嚢結石、胆管結石)があると大きなリスク要因と言われていて、胆嚢結石がある人の約6%、胆管結石がある人の約10%にがんができるとされています。胆嚢癌に関しては、罹患者の約60%に胆石の併発が見られ、胆石がない人と比較すると胆道がんにかかるリスクは10倍以上ともいわれています。

 

そのほかの原因として、男性は胆管がんにかかりやすく、女性は胆嚢がんになりやすいということが挙げられます。また、50代から70代の高齢になると結石を生じやすく、胆道がんになりやすいです。

胆管は十二指腸に接続する場所で膵管といっしょになりますが、先天的な異常(生まれつきの異常)である膵胆管合流異常がある人は膵液が胆管に逆流することになり、常に刺激を受けることで胆管がん(胆管拡張がある人)や胆嚢がんになりやすくなります。

 

さらに、慢性的な炎症で胆管が細くなり、胆汁の流れが滞ることで肝硬変や肝不全になる原発性硬化性胆管炎という特定疾患がありますが、この病気になっている人は約10%の確率で胆管がんを発症します。胆のう炎、胆管炎、肥満、日常的に脂肪分を多く含む食品を食べ過ぎていること(偏食)、潰瘍性大腸炎、クローン病も原因となります。

ちなみに、アルコールが原因で胆嚢癌になりやすくなるということはありませんが、アルコールの過剰な摂取は肝内胆管がん(肝臓がんのことです)の原因となります。ワインや日本酒などお酒の量はほどほどにしておきましょう。食事の内容で胆石ができやすくなるかどうかが決まり、胆石の有無が癌の発症リスクと関係してきます。ですので、予防の方法としては、アルコールの量を減らし、脂肪分の多い食事をやめて、定期的な健康診断を受けることが重要です。

 

胆嚢と胆汁

胆嚢(たんのう:Gallbladder)とは、肝臓で作られる胆汁を濃縮したうえで一時的に貯蔵する器官のことです。肝臓と膵臓に胆管を通して接続されていて、十二指腸につながっています。胆汁は黄褐色でアルカリ性の液体で、1日に500mlから800mlほど分泌されます。なお、胆嚢で濃縮されると黒っぽくなります。胆汁は十二指腸の手前で膵液と合流し、脂肪とタンパク質を分解しやすくする働きを持っています。

胆汁に含まれる成分は、ビリルビン(胆汁色素)、コレステロール、胆汁酸塩、リン脂質などです。肝臓の中を走っている胆管(7ミリ程度の太さ)は大きく分けると2つあり、右肝管と左肝管に分けられます。この2本が合流すると総肝管となります。胆嚢から総肝管につながる管は胆嚢管といい、胆嚢管と合流した部分から十二指腸に接続する部分を総胆管と呼びます。胆管にできたがんを胆管がん(Cholangiocarcinoma)、胆嚢にできたがんを胆嚢がんといいます。

 

肝臓の中にある胆管に発生したがんは肝内胆管がん(胆管細胞がん)といいますが、これは専門的には原発性肝がんとして分類されます。肝臓の外にある胆管に発生したがんは肝外胆管がんといい、有効な抗がん剤が少なく治療が難しい種類です。

治療の方法

胆嚢癌の治療は手術が唯一完治が期待できる治療法となりますが、ステージや悪性度、再発したものかどうか、年齢、進展範囲などによって手術術式が大きく変わることが特徴です。胆嚢癌は肝臓や膵臓、腸など広い範囲に浸潤する前に発見して摘出できないと完治が非常に難しくなります。

 

がんによって胆管が閉塞してしまっている場合は、カテーテルを挿入してステントを留置し、胆汁を小腸に流す内視鏡的ステント留置術を行うことがあります。内視鏡的ステント留置が不可能なケースでは、肝臓にステントを留置して胆汁を小腸に直接排出させるか、体外に排泄させる経皮経肝的胆道ドレナージを行います。

がん組織が胆嚢の粘膜または固有筋層にとどまっている場合は、単純胆のう摘出術といって胆のうを切除してしまえば完治が見込めます。しかし、ステージ2期以上で漿膜下層あるいは肝臓と隣接している結合組織にまで浸潤が疑われる場合は、拡大胆のう摘出術の適応となり、肝臓の一部(肝床)の切除やリンパ節郭清、肝外胆管切除、膵頭十二指腸切除術(Pancreaticoduodenectomy:膵頭部と十二指腸を一括切除する術式で侵襲が大きいです)が行われます。肝門脈に浸潤が認められるケースでは拡大右葉切除という手術も行います。

 

最新の治療法

そのほか、病巣とその周りの組織の体温を40度前後まで上昇させてがん細胞を壊死に追い込む温熱療法(ハイパーサーミア)や、放射線治療の際に過酸化水素(放射線増感剤)を注入することで腫瘍細胞の感受性を高める最新の治療法が検証中となっています。

放射線治療では、悪性腫瘍の内部に酸素が十分ないと効果が小さくなってしまいます。通常、がん組織はがん細胞の異常な増殖のために抗酸化酵素が増えて低酸素状態の部分がたくさんできてしまっています。過酸化水素(放射線増感剤)はこの抗酸化酵素を分解する能力を持っており、過酸化水素を注入することで放射線治療の効果を十分に発揮させることが可能となるのです。

 

手術時間と入院期間

平均的な入院期間は約1ヶ月間(33日間)となりますが、高齢者になるともう少し長くなります。手術費用は約92万円ですが、これを全額自己負担するケースはほぼなく、通常は高額療養費制度の利用で自己負担額は10万円前後に抑えられます。手術時間は一番長い症例で、肝門部胆管癌を発症した患者さんの肝切除で約12時間というのがありますが、通常はそれほどの長い手術時間を要することはありません。

検査の種類

胆嚢癌の検査には、CTやMRI、腹部超音波検査、血液検査のほかに、IDUS(管腔内超音波検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影と同時に行う)、磁気共鳴胆管膵管撮影(MRCP:非侵襲的)、内視鏡的逆行性胆管造影(ERC:内視鏡を口から挿入する)、経皮経肝胆道造影(PTC:皮膚から胆管まで穿刺針を刺して造影剤を入れレントゲン撮影する)などがあります。

 

胆嚢ポリープが胆嚢癌になる?

胆嚢ポリープとは、胆嚢の内腔(内部)に発生する粘膜の隆起のことで、形はキノコ状のものと平べったい形の2種類がほとんどです。健康診断や人間ドックで発見されることがほとんどで、受診者の5%から10%が胆嚢ポリープを発症しています。そんなにも多くの人がポリープを持っているのかと驚くかもしれませんが、90%のポリープはコレステロールポリープといって胆嚢癌になる可能性の無い種類です。

コレステロールポリープの特徴は大きさが数ミリと小さく(1センチを超えることはまずない)、胆嚢の内腔に多発するということです。他には過形成ポリープ(ほぼ良性)や炎症性ポリープ(粘膜細胞が増殖したもので良性)、腺腫性ポリープ(がんになる可能性がある)の3種類があります。

 

ポリープの大きさが10ミリ未満であれば経過観察となり、がんの可能性は低いですが、1センチ以上の大きさになっていたり、根元(茎)が太く(専門用語で広基性病変といいます)、平べったい形をしていたら胆嚢癌の可能性が25%ほどありますので精密検査となります。

胆嚢ポリープの治療ですが、胃や大腸のポリープのように一部分だけ摘出するというわけにはいきませんので、胆嚢摘出手術(胆嚢を丸ごと切除するという意味です)の適応となります。

胆嚢炎は胃腸炎と間違えられやすい

胆嚢炎にはいろいろな種類があり、急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、無石胆嚢炎などがあります。病名の通り胆のうに炎症が起きる病気で、急性胆嚢炎の90%が胆石が原因となります。胆管が閉塞することで様々な症状が発生します。

 

具体的には、腹部の右側の痛み、心窩部痛(しんかぶつう:みぞおちの痛み)、呼吸するときにお腹が痛くなるMurphy徴候や吐き気、発熱などが初期症状です。膵酵素が逆流することが原因で胆嚢炎になることもあります。慢性胆嚢炎の症状ははっきりしたものではなく、膨満感やお腹の不快感といったものになります。治療は腹腔鏡下胆嚢摘出術という手術になりますが、術者の判断により、約5%の確率で手術中に開腹手術へと変更になります。

 

胆嚢腺筋症は胆嚢癌との区別がつきにくい

胆嚢腺筋症とは、胆嚢壁の憩室(ロキタンスキー・アショフ洞)が拡張することで胆嚢壁が厚くなってしまう病気です。胆嚢ポリープが発見される確率は5%から10%ですが、胆嚢腺筋症が見つかる確率は0.2%から0.4%となっています。胆嚢腺筋症は画像診断などで胆嚢癌との区別がつきにくいため、胆のうを摘出することになるケースが多いです。

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