健康

腎臓がんの初期症状は血尿!ステージごとの生存率と手術方法

腎癌の症状は腫瘍が大きくならないとなかなか出てこないといいます。しかし、患者さん全員が無症状であったわけではなく、血尿など罹患のサインが出ていることがあります。ステージ1期や2期の初期の場合、ほとんどが健康診断や人間ドックで発見されるのですが、まれに血尿(尿が赤色または茶色に変色している)やお腹のしこり、腰や背中のジンジンとくる継続的な痛みが初期症状として現れることがあります。

初期症状を発見できるように、日頃から症状がないかチェックしておきましょう。手や足のむくみ、腰痛は末期症状のケースが多いです。

腎臓癌は血流に乗って転移しやすい(血行性転移しやすい)という特徴があります。転移しやすい臓器(好発部位)は、肺や骨、リンパ節、肝臓、脳です。末期症状はこれらの臓器から発せられることが多いです。例えば、骨や胸の痛み、咳、痰、胸水、貧血、ふらつき、感覚障害、腹水などです。

ステージごとの生存率

腎臓がんの初期の生存率(発見後から5年間)はステージ1期なら95%と非常に高く、ステージ2期だと85%となります。3期の生存率は38%から47%、4期は11%から23%です。治る確率もだいたいこの数値と同じです。

 

5年から10年再発しなければがんは寛解(完治)したと見なされます。ちなみに、生存率は病院ごとにばらつきがあることを記載しておきます。過去の入院患者さんのデータがインターネットで公表されている病院もありますので、よく比較して良い治療ができる病院を選ぶことをおすすめします

ステージの分類は以下の通りです。

ステージ1A・・・がんの直径が4センチ以下で腎臓(kidney)の被膜を超えない

ステージ1B・・・がんの直径が4センチから7センチで腎臓の被膜を超えない

ステージ2・・・がんの直径が7センチを超えるが腎臓にとどまっている。脂肪組織に浸潤している。

ステージ3A・・・見た目で腎静脈(renal vein)に浸潤している、または腎周囲組織まで浸潤しているが骨筋膜(ジェロタ筋膜)を超えていない

ステージ3B・・・肉眼で確認すると横隔膜下の大静脈内に浸潤している

ステージ3C・・・横隔膜(肺の下部に隣接する筋肉の膜)を越える下大静脈内(かだいじょうみゃく)に浸潤している

ステージ4・・・ゲロタ筋膜(骨筋膜)を超えて進展している。転移がある。余命の宣告をされるケースがあります

副腎を含めて腎臓を全摘した場合の生存率は部分切除するケースと比較してやや低くなります。それだけがんが進行しているからです。また、30代の患者と80代の高齢者の患者の生存率を比較すると高齢者の方は数値が低くなり、余命も短くなります。完治が難しく再発や転移を起こしやすいからです。腎癌が転移する確率はステージや年齢と相関関係があります

 

初期の場合の手術方法

初期症状がでている方の手術方法は、70%以上がダビンチという機械を使用したロボット支援手術の適応となります。初期の場合、ほとんどの場合で腎部分切除といって、腎臓の一部だけを切除する手術となります。

ダビンチを使った腎臓の手術はアメリカやヨーロッパでは一般的ですが、日本では2016年4月からようやく保険適用となりました。ダビンチを使うメリットとしては、ミリ単位の正確さを要求されるオペでより繊細な動作が可能になること、オペを受け持つ医師の微細な手の震えを感知して抑えることができるフィルター機能(手ぶれ補正)などたくさんのメリットがあります。

 

この手術方法は、腫瘍の大きさが7cm以下の初期で、腎の被膜を超えていない場合が対象となります。ステージ2で腎癌の大きさが7cmを超えている場合、被膜を超えて浸潤しておらず、さらに腎臓の上部か下部に寄っているケースのみ施行可能です。ロボット支援手術ができないケースだと、腹腔鏡下手術または開腹手術となります。

腹腔鏡下手術は腎臓の周りに1.5センチ程度の小切開を3つから5つほどあけて、先端にメスや鉗子などが付いた内視鏡を挿入して行う手術です。腹腔内に炭酸ガスを入れることで内視鏡の操作がしやすくなります。腹腔鏡下手術のメリットは、術後の痛みが少ない、出血量が少ない、傷跡が目立たないなどたくさんあります。

 

入院期間と手術時間、手術後の生活

手術した場合の入院期間は、開腹手術で4日から5日間(最長で2週間)、腹腔鏡下手術またはロボット支援手術だと術後3日間となります。術前の入院期間は1日あるいは2日間となります。

腎部分切除は全摘(根治的腎摘除術)と比較すると手術の難易度が高いため、技術の高い医師が在籍する病院で治療を受けた方がよいでしょう。地方の小さな病院よりも、都市部の大病院で治療しましょう。特に、腹腔鏡下手術で腎部分切除をするオペを行う病院は日本でも数が限られてきます

手術時間は麻酔する時間も含めて3時間から4時間ほどです。ただ、出血量が多かったり周辺の組織との癒着が強かったりするとさらに時間を要するケースもあります。

手術費用はおよそ90万円ほどですが、健康保険に加入していればその3割負担で済みますし、高額療養費制度を利用すれば実際の支払額は10万円程度になります。

 

手術後の生活で気をつけることは、過剰な塩分の摂取です。腎臓に負担をかけないようにするため、食事でとる塩分は男性で9グラム以下、女性で7.5グラム以下を目安に減塩しましょう。これは高血圧を予防するためでもあります。

腎腫瘍の分類

検査で腎腫瘍といわれた場合、良性の可能性に期待してしまう人も少なからずいると思いますが、腎腫瘍は約90%が悪性腫瘍、つまり腎細胞がん(Renal cell carcinoma)です。腎細胞がんは、淡明細胞型 (clear cell)、顆粒細胞型(granular cell)、色素嫌性型(chromophobe)、嚢胞随伴性、乳頭状(papillary)、肉腫様型(sarcomatoid)の6種類に分類されます。淡明細胞型は最も多く70%を占めます。嚢胞随伴性は予後は良好ですが、肉腫様型は進行速度が速く予後は不良です。

 

会社の健康診断や人間ドックで使用されるCTやMRIといった医療機器の画像診断で偶然発見されるケースが多くなっています。それだけ早期発見が可能になっています。20年前までは1.5センチの大きさはないと画像診断で発見が不可能だったのですが、現在では0.5センチほどの小さい腫瘍でも見つけ出すことが可能になっています。

腎臓がんに対する特異的な腫瘍マーカーはありませんので、初期であろうが末期であろうが確定診断には血液検査はあまり関係ありません。ただし、がんが小さいのにCRPなどの炎症反応が強いと発育速度(成長スピード)が速い、つまり悪性度が高いということになりますので、治療方針を決める際の参考データとなります。

 

腎臓がんの原因

腎臓がんになる原因としては、まず職業が挙げられます。鉛、鉄、カドミウムなどの重金属、エタノール、ベンゼン、トリクロロエチレンなどの有機溶媒(水に溶けない物質を溶かす液体のことです)を扱う職業の方はリスクが大きいです。有機溶媒は尿細管を障害することがあり、有機溶媒は発がん性を持つものがあります

生活習慣も大きな要因です。タバコをたくさん吸う人、睡眠時間が極端に少ない人、強いストレスを受けている人などは免疫力が低下しやすいといわれています。また、肥満の人は健康な人と比較すると罹患する可能性が4倍もあり、高血圧の人は2倍になります。年齢でいうと50才から70才の人、女性よりも男性の方が腎がんになりやすい傾向があります

 

遺伝子の異常も発症する要因となります。腎細胞がんのほとんどはVHL遺伝子という遺伝子の異常が関与していることが判明しており、さらにこのVHL遺伝子はがん家系に関係していることがわかっています。親や兄弟、親戚などで腎細胞がんの罹患歴が多い家系の人は要注意です。

 

さらに、長年、人工透析(じんこうとうせき)を受けている人、糖尿病の人は発症リスクが高いとされています。人工透析を受けているということは腎不全になっているか腎臓の病気にかかっていることが多いため、このような傾向があります。

利尿剤やフェナセチン含有鎮痛薬、降圧薬の服用もリスク要因とされています。

膀胱がんの症状

ところで、膀胱がんの症状と腎臓がんの症状は似ている部分があります。例えば肉眼的血尿(顕微鏡的血尿)や背部痛(背中の鈍い痛み)です。肉眼的血尿がでたときは、腎盂がん、腎炎、前立腺肥大症なども原因も考えられます

 

そのほかに、膀胱がんに特有の症状として、排尿時の痛み、頻尿、排尿障害などがあります。膀胱がんのはずなのに腰痛がする場合は、骨に転移している可能性があります。

膀胱癌におけるステージごとの5年後の生存率は、1期は92%、2期は73%、3期は59%、4期になると17%まで下がります。(公益財団法人 がん研究振興財団のデータ)

 

TURBTと膀胱全摘除術

手術はTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)または膀胱全摘除術が行われます。TURBTは、全身麻酔か腰椎麻酔をしたうえで内視鏡を患部まで挿入し、腫瘍の部分を電気メスで切除するという手術です。手術時間は1時間程度と短時間で終了します。経尿道的膀胱腫瘍切除術では、尿を体の外まで誘導するために、膀胱にカテーテルを留置します。ほとんどのケースでこの管は翌日に抜去します。

 

転移の可能性が高い場合など病状によっては、膀胱の中に抗がん剤を注入ことがあります。膀胱全摘除術は全身麻酔をし、下腹部を切開して尿管の切断、膀胱の摘出を行います。男性は前立腺も摘出します。尿道も摘出することがありますが、ほとんどの症例で残されます。

転移しにくいが再発しやすい

膀胱は筋膜という組織に中にあるため、周囲の組織に浸潤しにくく、ステージが進行するまでに時間がかかります。そのため、膀胱がんは転移しにくいがんといわれています。逆に、転移があるということは末期である可能性が高いということになります。転移しやすい部位は、肺、肝臓、骨の3カ所です。

 

ちなみに、最も多いのが肝臓転移で転移したケースの38%を占めています。次に多いのが骨転移で転移事例全体の27%になります。膀胱がんは悪性度(グレード)の低い症例が多いのですが、表在性膀胱がんになってしまうと再発しやすいという特徴があります。

 

膀胱がんの原因

膀胱がんの原因はいくつもあり、たばこ、精神安定剤(クロルプロマジン)、解熱鎮痛薬(フェナセチン)、特定の化学物質(芳香族アミン)、膀胱結石などが挙げられます。罹患しているかどうかの検査は、膀胱鏡検査、尿細胞診検査(尿にがん細胞がないか調べる検査)、エコー検査、骨シンチグラフィ、CT尿路造影などがあります。

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