健康

くも膜下出血の前兆は首の痛みと頭痛!後遺症と死亡率は?

いきなり頭に激痛が走ったかと思うと、突然死してしまう・・・。そんな怖い病気であるくも膜下出血には前兆として首の痛みが発生することがあります首から頭に続く大動脈は脳底部で分かれ目にさしかかりますが、このあたりで脳動脈瘤が発生しやすいです。この動脈瘤が破裂すると首の痛みが感じられることがあるのです。

これが前兆です

くも膜下出血の前兆としてチェックすべき項目は多く、他にも目に注目すべきです。動脈瘤が大きくなると脳を圧迫して目のまぶたが上がらなくなることがあります。また、動脈瘤が目の働きを司る視神経を圧迫すると視野に異常が生じ、物がブレて見えるようになります。これは乱視の方は気付きにくいかもしれませんが、まぶたが上がらないというのは明らかに脳に異常がある証拠ですので、早めに病院に行って検査を受けるべきです。

 

大病院に行け

このとき注意したいのが、町医者がいるような地域の小さな病院ではなく、慶應義塾大学病院や三井記念病院などの大病院に行くことです。誤診を避けるというのが一番の目的ですが、規模の大きい病院は最新の医療設備と熟練した技術を持つ医師が所属しているので予後が明らかに違ってくるからです。くも膜下出血(Subarachnoid hemorrhage)の前兆として頭痛も挙げられます。脳動脈瘤が大きくなって破裂するまでの数日間、このコブが脳の組織を圧迫するため頭痛がするのです。頭痛の場所としては、後頭部(頭の後ろの方、首筋にかけて)や首のあたりが痛むケースが多いです。

波動性の耳鳴りは危険なサイン

また、前兆として耳鳴りもあります。普通の健康な人なら「キーン」という非常に高い音のような耳鳴りがすることがあるかもしれませんが、この「キーン」という音ならひとまず問題はありません。しかし、これが蜘蛛膜下出血の初期症状だと「ザー」という一昔前のテレビの砂嵐のような雑音が聞こえるのです。「ザー」という耳鳴りは波動性といい、脳血管障害が原因のことが多いのです。

 

血圧が乱高下したら

さらに、血圧が乱高下するというのも前兆です。動脈瘤が破裂する数日前から(特に3日前から)血圧が急激に上がったかと思ったら下がるということが起きるのです。家庭用の血圧計は数千円で買えますので、日頃から血圧を測る習慣をつけておいたほうがいいでしょう。特に高血圧の方は血管にかかる負荷が通常の血圧の人と比較すると大きいので、注意が必要です。

ふらふらっとするめまいも要注意です。めまいは動脈瘤が原因で起こります。しかし立ちくらみやちょっとふらっとする程度のめまいでくも膜下出血の前兆だと判断するのは無理があります。他の症状と合わせて判断しましょう。例えば肩こりや吐き気、眠気です。これらの症状は脳内の血行が悪化したり、脳圧(頭蓋内圧)が上昇したり、酸欠が原因となって発生するものです。半年または1年ごとに病院で検査を受けて問題がないかチェックするとよいでしょう。

 

脳動静脈奇形はリスク因子

くも膜下出血は10代や20代の若年層でも発生する可能性があります。脳動静脈奇形がある人は特にリスクがあります。上記の症状がないか予防のためにチェックしましょう。脳動静脈奇形はCTスキャンやMRI検査の画像で分かることがありますので、検査を受けて先天性の異常がないか確認すると安心です。脳動静脈奇形の異常がある人は、1年間ごとに約3%の人がクモ膜下出血を罹患しています。実は、先天性の異常でなくても脳動脈瘤は全人口のうち3〜5%の人があって、そのうち年間に0.5%から1.0%の人が破裂しているのです。検査を受けて異常がなく健康だと思っている人でも、全く他人事ではないのです。

原因と予防

ストレスをためこんでいる人は脳出血のリスクが健康な人の約3倍にもなることが分かっています。人間関係や仕事のストレスに限らず、過度のスポーツも血圧が上がるため血管にとっては大きなストレスになります。血圧が上昇すると脳動脈瘤が破裂しやすくなってしまうのです。発症する原因としては上記のほかに、過労も挙げられます。仕事のしすぎも良くないので、脳卒中の予防のためにほどほどにしておきましょう。

 

加齢にも注意しましょう。40代から50代の人が特に罹患しやすく、タバコの吸い過ぎ、高血圧、肥満、コレステロール値が高すぎることが原因にもなります。生活習慣が乱れると脳卒中になりやすくなります。予防のためにも40歳を過ぎたら禁煙をして半年または1年に1回は健康診断を受けましょう。脳ドックを受ければ脳出血(脳卒中)の予防としては完璧ですね。

後遺症について

くも膜下出血の後遺症は、半身麻痺(片麻痺)が高確率で発症します。脳血管障害が発生した反対側が半身麻痺になります。例えば右脳で出血した場合、体の左側に障害が現れます。左脳には言語中枢があるため、左脳で出血が起きると言語障害が発生することがあります。片麻痺になると歩行が難しくなったり、利き手に障害が出ると字が書きにくくなったりします。目が見えにくくなることもあります。半盲(はんもう)になる可能性も考えなくてはなりません。

 

嚥下障害や発声障害も重大な後遺症になりえます。うまく声が出せなくなったり、食べ物をちゃんと飲み込めなくなってしまうのです。また、嚥下障害になるとつば(唾液)が就寝中に気管支に入ってしまって肺炎の原因になることもあります。

さらに、感覚障害が起きて、痛みを感じにくくなったり、触っている感覚がほとんどなくなったり、突然しびれを感じるようになります。

前頭葉または側頭葉で出血すると、人格の変化が起きることがあります。例えば自制心が弱くなったり、怒りっぽくなったり、注意力が低下したりします。うつ状態や認知症になることもあります。記憶が一部失われる(思い出せなくなる)こともあります。大脳や脳幹がダメージを受けると、頻尿、尿失禁、尿意が感じられなくなるなどの後遺症が発生します。

 

リハビリである程度の回復は見込めますが、完全な回復は難しいのが現実です。術後から何週間もずっと寝たきりだと回復はほとんど期待できません。もし寝たきりの状態から回復すれば奇跡といえるでしょう。

開頭手術によるクリッピング術

くも膜下出血の手術は、開頭手術によるクリッピング術と、大腿動脈からカテーテルを挿入してプラチナ製の非常に細いコイルを詰め込むコイル塞栓術の2通りがあります。

 

クリッピング術とは、開頭(頭蓋骨を切り開いて)して金属製の小さな洗濯バサミ(特殊なクリップ)のようなもので動脈瘤のくびれた部分を挟んで出血を止める手術です。動脈瘤への血流は完全に遮断されるためコブはしぼみ、術後にCT等で検査すると消失したように見えます。ただ、クリッピング術は侵襲性が高いために70歳以上の高齢者には適応しないケースもあります。

 

血管内手術のコイル塞栓術

コイル塞栓術とは、血管内手術のひとつで、局所麻酔下において大腿部(太ももの付け根)の大腿動脈からカテーテルを挿入してコブの部分に金属の糸を詰め込んで血流を止めてしまう手術です。

レントゲンで透視をしながら太ももの動脈から首のあたりまでカテーテルを誘導して、さらにそこからマイクロカテーテルというさらに細い管を通して動脈瘤の場所まで送り込みます。脳梗塞などの合併症を予防するために血液をサラサラにする薬を数日間注射し、飲み薬も数ヶ月間飲んでもらいます。

コイル塞栓術の優れている点(メリット)は、脳に全く触れずに治療が可能であること、侵襲性が低いこと、脳の深部においても問題なく治療が行えるという点です。特にくも膜下出血は脳底部(頭蓋骨底部)での発症が多いために特にこの手術方法が適しているケースが多いです。ただし、手術中に出血してしまった場合の対処が困難であること、コイルが飛び出したりずれることがあること、再発する可能性があることなどの問題点(デメリット)も存在します。

 

手術時間は短くて2時間30分、長いと8時間もかかることがあります。手術の費用は、緊急手術と水頭症の処置、入院は1ヶ月として150万円前後となります。この3割が自己負担となりますが、高額療養費制度がありますので、実質的な費用はほとんどのケースで10万円にもなりません。

手術後に頭痛がすることがありますが、ちゃんと痛み止めの薬がでますので安心してください。

死亡率は何パーセント?

破れた脳動脈瘤の場所には血栓というかさぶたのようなものができて、一時的に止血されたような状態になりますが、この止血は自然治癒力によるもので再び破裂する可能性が高いです。特に24時間以内に手術を受けられなかった場合は高率で出血し、死亡する確率が高くなります。6ヶ月以内に再出血(再発)する確率は50%で、10年経過して無事である可能性は18%しかありません。

 

脳血管攣縮と水頭症

また、出血による体の防御反応として脳血管攣縮(れんしゅく)というものがあります。出血すると脳動脈が細くなり血流が著しく悪化します。この脳血管攣縮は脳梗塞の原因になり、特に発症してから4日目から14日目の間に多く見られます。もしも脳梗塞も発症してしまうと、くも膜下出血と二重のダメージが脳に加わることになり、術後に重大な後遺症を残す可能性が高くなります。

術後の経過は注意深く観察する必要があります。というのも、前述の脳血管攣縮のほかに正常圧水頭症を発症してしまう可能性があるからです。正常圧水頭症とは、脳脊髄液の流れが悪化して脳室という部分に溜まってしまい、周りの脳の組織を圧迫してしまう状態のことを指します。水頭症になってしまうと、正常な歩行ができなくなったり、物忘れがひどくなったり、尿失禁をしてしまうなどの症状が現れます。ただし、水頭症は脳脊髄液を脳室から腹腔に誘導する管を埋め込む手術により治療可能です。

 

予後の寿命

くも膜下出血の場合、意識不明で病院に運ばれてくる人の割合はなんと30%にものぼります。脳出血で意識不明または昏睡状態だと脳が腫れてしまい手術が不可能なケースもあります。すぐに手術できないような状態だと、手術後に意識回復すれば良い方です。再出血前にオペをしなければ生存率は低くなりますので、集中的な治療が必要になります。

予後の寿命は発症した年齢や出血後の対応のスピードなどによってかなり異なりますが、全体の33%が無事に社会復帰できます。後遺症なしの確率は10%から20%程度です。がんと同じく、脳出血は再発すると予後の寿命が著しく悪化します。死亡率は30%から50%ともいわれています。無事に社会復帰できるかという意味での手術の成功率は30%ぐらいと考えておきましょう。

 

くも膜下出血の症状

くも膜下出血の症状は、人生で味わったことのないような激痛が突然おそってくると表現できます。実際に患者さんに聞いてみると、前兆や初期症状もなく脳動脈瘤が破裂した瞬間にバットで思いっきり頭を殴られたような痛みを感じる人もいるようです。くも膜下で広がる出血に対して軟膜などの保護膜が刺激されて痛みを感じるようになっています。人によっては激痛では済まずに、嘔吐してしまったり、意識を失って倒れてしまうということもあります。

この突然の頭痛という症状は脳梗塞には見られないものです。くも膜下出血以外に脳内出血と診断されることもありますが、この脳内出血の死亡率は75%にもなります。症状としての頭の痛みは上記で表現した通りですが、たまに片頭痛や緊張型頭痛と間違えてしまいませんか?という質問がきます。しかし、それはほぼありません。片頭痛や緊張型頭痛だったらせいぜい「ズキズキ」と痛む程度ですが、くも膜下出血だと意識を失うほどの痛さだからです。

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