健康

スキルス胃がんの初期症状と余命!バリウム検査の費用は?

胃がんの患者の約10%を占めるスキルス胃がんとは、未分化型または低分化型胃癌の一種で、瀰漫性(びまんせい)を持ち浸潤するタイプのがんのことです。ここでいうびまん性とは、病変がまとまりをもたずに、広範囲に広がる性質のことを指します。スキルスは胃の粘膜の下を這うように浸潤し、腫瘍を形成せずに凄いスピードで広がる悪性度の非常に高いがんの種類です。

芸能人で罹患した人

進行してステージ4期になったスキルス胃癌(scirrhous gastric cancer)の患者の胃を内視鏡で見ると、線維化が過度に進んでまるで革袋のようになっており、胃壁は厚く硬くなっています。胃の大きさは通常の半分程度まで萎縮し、お腹の上から触ると硬い腫瘤のようになります。このような特徴から硬癌(こうがん)とも呼びます。芸能人やニュースキャスターなどテレビに出演している有名人で罹患した人は、黒木奈々、宮迫博之、逸見政孝、佐久間正英、堀江しのぶさんなどがいます。

 

生存率と再発率

スキルス胃がんの5年生存率は平均で15%から20%とかなり低く、再発率が高いので完治が難しいことで知られています。また、検査で病変が発見できても、手術が可能な患者さんは全体の50%しかいないというデータがあります。見つかったときには既に進行していて腹膜播種(ふくまくはしゅ)があり、切除が難しいということです。

このタイプの進行性胃がんは胃の粘膜の下に隠れて広がるため、内視鏡で直接見たとしても、医師が気付かないケースが多いのです。不幸中の幸いで、炎症をともなって表面に凹凸を形成していた場合はまだ運がいいケースといえます。罹患した人が書いたブログを見ると、ほとんどがご家族の代筆による「ご報告」となっており、亡くなっていることがわかります。見ていると悲しい気分になりますが、こうしたブログの内容をくまなくチェックすることで体調の変化や闘病の様子を知ることができます。完治(寛解)を目指している方や情報収集をしている方はブログも見てみることをオススメします。

 

進行胃癌は4つに分類されます。1型は限局隆起型、2型は限局潰瘍型、3型は浸潤潰瘍型、4型はびまん浸潤型で、スキルス胃がんはこの4型となります。国立がん研究センターの統計によると、胃がんは50代と60代の患者が全体の6割を占めており、特に男性の罹患者が多いというデータになっています。しかしスキルス胃癌は30代から40代の女性に多いのが特徴です。

スキルス胃がんの初期症状

さて、この恐ろしいスキルス胃がんの初期症状とはどんなものでしょうか。初期症状は、空腹時のチクチクとした胃痛、タール便(胃の中で出血すると胃酸により黒っぽく変色する)などです。また、胸焼けや胃の不快感、消化不良、食欲不振も感じるようになります。ただし、全ての患者に自覚症状が現れるわけではなく、初期では無症状のことが多いです。

 

本格的な症状としては、貧血、胃痛(常に)、食事の量が減る(一度に食べることができる量が少なくなる)、吐き気、血便、体重の減少、下痢、みぞおちの痛み、ゲップ、倦怠感、腹水貯留、水腎症、吐血、下血、病的な骨折、黄疸などです。これらの症状がでているということはステージは相当進んでいるということになります。背中の痛みも感じることがあります。

ステージ4の余命

スキルス胃がんの余命は、ステージ4だと平均で半年です。腹水がたまっている場合の余命も半年から1年程度です。ただし、生存率は体質や免疫力の差に大きく影響されますので、余命3ヶ月と宣告されても2年以上生きたケースもたくさんあります。ステージ1期の5年生存率は95%以上で、余命にほとんど影響を与えないこともあります(再発しなければ平均寿命以上長生きできる可能性もあります)。

 

ただし、ほかのがんの種類と比較すると予後は悪いことは確かです。進行速度が非常に速いため、1年に1回の健康診断や人間ドックでは間に合わないことが多いとされています。進行速度を考慮すると、早期発見のために半年に1度の頻度での健康診断が推奨されます

ピロリ菌が原因に

スキルスになる原因としては、ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ菌の感染)、お酒の飲み過ぎ、たばこ(喫煙)、塩分のとりすぎ、遺伝、胃炎などです。こうして挙げてみるとピロリ菌以外は生活習慣病の原因と全て同じです。また、強いストレスによる慢性的な胃炎、不規則な生活習慣も原因となります。さらに、ピロリ菌の感染による鳥肌胃炎が悪化すると胃がんになるケースがあります鳥肌胃炎になっている人は健康な人の60倍も胃がんになるリスクがあります。このリスクについては下記を参照して下さい。

遺伝する可能性がある

逸見政孝さんは胃がんで亡くなっていますが、弟の憲治さんはスキルス胃がんで政孝さんよりも先に亡くなっています。スキルス胃がんは遺伝する可能性があることが知られており、その確率は数値で見ると低いながらも遺伝性が強いことは医師の間では一般的な知識となっています。罹患者の遺伝子を分析すると、多くの人の「CDH1」と「PSCA(胃がん易罹患性関連遺伝子)」という遺伝子に変異が見つかっており、がん家系や遺伝との関係が注目されています。遺伝する確率については、はっきりとしたデータはないですが、がん家系の人は気をつけた方がいいでしょう。

スキルス胃がんの検査方法には以下のような方法があります。

胃内視鏡検査(胃カメラ)

胃カメラをするときには写りをよくするために胃に空気を送り込んで膨らませます。ゲップが出るとまた空気を送り込むことになり、辛さが増してしまうので出来るだけ我慢しましょう。

 

上部消化管X線造影検査(バリウム検査)

発泡剤と硫酸バリウムの乳化剤を飲んでからX線撮影をすることで、空気は黒く、バリウムは白く映る二重造影となります。胃潰瘍やスキルス胃がんの部分は不整なニッシェ(バリウムが窪みにたまっている状態)または隆起像が見られるため、診断が可能となります。ちなみに、バリウムの味はイチゴ味、バニラ味、バナナ味などがありますが、決して美味しいものではありません。

 

腹部エコー検査

エコー検査とは、超音波を胃に向けて送信して、はね返ってくる反射波を画像にして診断をする検査です。放射線による被爆の心配はないのですが、肥満の人は厚い脂肪によって鮮明な画像が得られないというデメリットがあります。検査時間の目安は約20分程度です。

超音波内視鏡検査(EUS)

超音波内視鏡検査では、内視鏡の先に超音波を送信する高性能の装置をつけて胃の内部を観察します。正常な粘膜なのか、病変なのかを判定する能力は高く、病理検査をするために疑わしい部分の細胞を超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)で採取することもできます。

 

ほかにも、CT検査、MRI検査、胸部X線(レントゲン)検査がありますが、他のページでも解説しているためここでは説明を省略させていただきます。バリウム検査の費用は15,000円程度、胃カメラの費用は20,000円程度、腹部エコー検査の料金は2,000円前後と安く、超音波内視鏡検査(EUS)の費用は4,000円が目安となります。

ちなみに検査キットがインターネットで購入できますが、これはペプシノゲン濃度を測定することで萎縮性胃炎の有無を判定するものです。価格は5000円程度でお手軽ですが、信頼性に欠けるという医師の声も多く、実際に病院で血液検査をしてもらった方がいいことは間違いないでしょう。検査キットは、進行性胃がんになっているかどうかを直接調べられるものではないのです。

 

鳥肌胃炎とは?

さて、進行性胃がんの原因となる鳥肌胃炎(nodular gastritis)とは一体何でしょうか?胃がんリスク検診(ABC検診)で発見されることがある鳥肌胃炎とは、10代から20代の女性、特にピロリ菌に感染した女性に多く見られる病変で、内視鏡映像では画像のようにあたかも胃の粘膜が鳥肌になっているように見えることからこう呼ばれています。リンパ小節(リンパ濾胞)が増生するときに隆起するため画像のような凹凸が形成されます。

ちなみに、なおちゃんの大学(慶應義塾大学)の医学部の教授に鳥肌胃炎は治るのかと質問したところ、治るそうです。完治も可能とのことです。ただし、原因となっているピロリ菌を除菌したうえで、食事の内容に気をつける必要があるそうです。喫煙している人は禁煙をし、お酒を飲む人は禁酒をし、塩分が多い食事をしている人は減塩をしましょう。症状は、胃痛、胃のもたれ、鈍痛、ゲップが多くなるなどです。初期症状に乏しいのが特徴です。

治療法

現在、有効な治療はピロリ菌の除菌だけだそうです。1回では完全に除菌できないことがあるため、3回程度実施することもあります。治療に使用する薬は、PPI(プロトンポンプ阻害薬)、アモキシシリンやクラリスロマイシン(抗生物質)、メトロニダゾール(抗原虫薬)などです。鳥肌胃炎よりも30代以降の人がかかりやすい萎縮性胃炎の方が胃がんに移行する確率が低いというデータがあります。また、見た目が見ている疾患にびらん性胃炎があります。びらん性胃炎の原因はストレスや暴飲暴食とされていますので、対策はたてやすいです。上記の前癌病変が発見されたら、すぐに治療を開始しましょう。

完治した人は多い?

スキルス胃がんから完治した人は、インターネットの掲示板を見ると少数ですが確かにいますし、大学病院のデータを調べると確率は少ないですが数多くいらっしゃいます。末期の場合は遠隔転移していることが多く、手術ができないケースがあるため、免疫療法に頼る患者さんもいます。末期になると医者もできることが少なくなるため、免疫療法や民間療法を試したいと申し出ると、可能性にかけて快諾してくれる担当医も多いものです。

 

がんは情報で克服するものですので、完治した人はこのブログのような情報サイトをくまなくまわって有益な情報を探しています。全国の病院のデータを総合すると、完治率といいますか、完治の可能性は一桁になります。完治は難しくても寛解であればステージ4の末期でも5%以上はあります。望みを捨ててはいけないということです。

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