健康

尿管結石の前兆と原因とは?症状は痛みです!食事で治療できます

尿路結石は人生で体験する痛みのうちトップ3に入るほどの痛みです。「のたうちまわるような」とか「失神するような」と表現されます。特に尿管結石だと前兆からして激痛となることが多いです。しかし、患者全員に症状がでるわけではなく、30%ほどの人は何も自覚症状なく自然治癒します。尿道を通って尿と一緒に排出されるのです。

全人口に占める罹患者数の割合はおよそ15%で、30歳代から40歳代の男性に多く、女性の場合は50歳から70歳代が多くなります。中間管理職の男性はストレスを受けやすいので注意しましょう(下記参照)。尿管結石は女性はほどんどできないと少し前までいわれていましたが、近年は更年期の女性、さらに20代の方の患者数が増加していることがデータでわかっています。

 

再発の可能性が高い

再発する確率は高く、食事の指導も受けてその通りにしても、治療が終わってから5年以内に再発する確率は50%以上もあります。また、再発した場合は下記の種類のうち前回と同じタイプの石であることがほとんどだと言われています。

尿路結石(urolithiasis)のうち、日本人だとほぼ全ての人(95%以上)が腎臓か尿管にできる上部尿路結石で、残りの5%以下の人が膀胱か尿道にできる下部尿路結石に罹患します。尿路は腎臓からはじまって尿道で終わりますが、体の上部から発生する結石の順に、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石となります。この4種類のうち、ほとんどが尿管結石です。尿管結石の前兆さえ知っておけば、尿路結石はほぼ防げたも同然なのです。

 

尿管結石の前兆とは

それでは前兆はいったいどんな症状なのでしょうか?個人差がありますが、腰、腹部、脇腹、背中に痛みを感じ、血尿が出るケースもあります。この初期症状が現れても放置しておくと、数日してから気を失いそうなぐらいの激痛に見舞われるのです。ただし、前兆が現れずにいきなり激痛になることもありますので、注意しましょう。尿管結石の症状は、上記に加えて、吐き気、排尿痛(おしっこをするときに下腹部に痛みを感じる)、残尿感、尿漏れ、おしっこが出なくなる、おしっこの回数が増える、排石、腰痛、発熱などです。

石の種類にはいくつかあります。

シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石はカルシウム結石と呼ばれていて、動物性脂肪の過剰摂取が原因となります。全体の85%がシュウ酸カルシウム結石というタイプです。カルシウム結石の形はこんぺいとうの表面を鋭く尖らせたような形をしているため、尿路に引っかかって排石されにくいです。

 

リン酸マグネシウムアンモニウム結石はプロテウスという尿素分解菌に感染することが原因となる結石です。罹患者は比較的少なく、全体の5%前後といわれています。結晶化が進むと急に石が大きくなるのが特徴で、尿路感染症にかかりやすい女性に多いです。石の色は、茶褐色や黄褐色、白褐色となります。

プリン体が多い食事をしていると尿酸の血中濃度が上昇し、尿酸結石になってしまいます。尿酸結石ができる場所は膀胱から尿道までで、排尿障害を引き起こし、尿路に傷がつくと感染症にかかってしまう可能性があります。罹患者は全体の約5%です。シスチン結石はシスチンというアミノ酸が腎臓の尿細管(renal tubule)から再吸収されないのが原因となります。その他にキサンチン結石という種類もありますが、これは遺伝性です。

 

尿管結石の原因は何?

尿管結石の原因は、食生活にあります。患者の85%を占めるシュウ酸カルシウム結石を例にして説明しましょう。近年、日本人の食文化が欧米化して肉類をたくさん食べるようになりましたが、肉類を大量に食べると動物性タンパク質を多量に摂取することになります。

肉にはシュウ酸という物質が多く含まれていて、これがカルシウムと結合すると体内で石となってしまうのです。結石の原因となるシュウ酸は、尿の中に混ざる前に、まず腸の中でカルシウムと結合して便として排出されるようになっています。ですので、食事でカルシウムをたくさんとるように心がけることが結石の予防となります。

 

食事で予防する

尿管結石になりやすい食事というのは、上記に挙げた肉の食べ過ぎや、プリン体の多い食事です。プリン体は尿酸を増やしてしまうので、煮干し、干ししいたけ、鶏レバー、豚レバーなどはなるべく食べないようにしましょう。これらは100グラムあたり280mgも含まれていますので、ちょっと食べただけで確実に体内の尿酸値を上昇させてしまい、尿酸結石の原因となります。

プリン体はほぼ全ての食材に含まれていますので、全く摂取しないで食事をとるということは不可能です。ですが、居酒屋で酒のつまみとしてレバーを注文するとか、煮干しは健康に良さそうだからといってボリボリ食べるということをしなければ尿酸結石はほとんど予防できます。ちょっと食べ物に気をつけるだけで罹患する確率をぐんと減らせるのです。食事のレシピを考えるとき、上記の食べ物はなるべく避けて、肉類もほどほどにしておいたほうがいいですね。

 

尿路結石は食事の献立を考えるときダメなものがあまりにも多すぎるので、シュウ酸と結合しやすいカルシウムを含む食品、例えば牛乳を取り入れたり、クルミを使ったメニューにするのがオススメです。クルミは腎臓の機能を高めますので、人体に不要な物質を取り除く作用を強化することが期待できます。食事制限は特に必要なく、外食を減らして野菜中心の食生活にすれば問題はありません。

コーヒーやビール、緑茶には注意

コーヒーにはシュウ酸と尿酸の両方が含まれているので飲み過ぎには注意しましょう。コーヒーを飲んだ後には水をたくさん飲んで、結石の原因となる物質を尿としてできるだけ排泄できるようにしましょう。アルコール、特にビールの飲み過ぎに注意しましょう。ビールは、目安として500ml缶だったら1日3本以内に抑えておきましょう。個人差はありますが、4本を超えると尿路結石の原因となりやすくなります。

 

アルコールは利尿作用があるため、一見対策としてよさそうですが、尿を排泄したあと脱水症状になりやすく、結石ができやすい環境を自ら作ってしまうことになるのです。さらに、緑茶、紅茶、ウーロン茶にもシュウ酸が含まれていますので、尿路結石の原因となることがあります。適量なら大丈夫ですが、緑茶もがぶ飲みしないようにしたほうがよいです。健康に良い飲み物は水、これは覚えておきましょう。

また、ストレスも尿路結石に関係しているとされています。ストレスを感じると交感神経が優位となり、血管が収縮して血流障害が発生しやすくなり、尿酸を体外に排泄する働きが弱まってしまうと考えられています。

 

検査方法

尿管結石を診断するためにはいくつかの検査を行います。まず尿検査をして潜血反応がないかチェックします。結石が体内にある場合、尿管が傷つけられて尿に血が混ざっていることが多いためです。また、結晶の成分があるか、小さくても排石があるかどうかを顕微鏡で確認します。さらに、尿管が傷ついている場合は感染症に罹患しているケースもあるため、尿の中に雑菌が混ざっていないかどうか、炎症反応(CRP)がないかも調べます。

そして検査結果や症状から尿管結石がある可能性が高いと判断した場合は、レントゲンや超音波検査(エコー検査)、CT検査で結石の有無や位置を確認します。

 

治療方法

結石があり、大きさが1センチ以下の場合の治療方法としては保存療法の適応となります。治療方法は、具体的にはウロカルン錠という排石薬を投与します。ウロカルン錠という薬は尿管結石を溶かす作用があり、小さくして自然に尿と一緒に排出させる治療となります。同時に、鎮痛剤も処方します。

 

鎮痛剤の種類は、インドメタシン、イブプロフェン、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)となります。利尿薬を処方して尿の量を多くし、排石を促すという治療も行うことがあります。

直径が1センチを超える結石は手術の適応となります。

ESWL

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、文字通り体の外から衝撃波を結石に照射して細かく砕き、体外に排出させる手術です。メスは一切使わず、痛みもほとんどないのが特徴です。体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、腎盂や腎杯、尿管にできた石に対して有効な手術です。治療時間は1時間と短く、麻酔も必要無いのですが、衝撃波をあてる直前に座薬をして痛みを和らげる必要があります。

 

日帰り手術となり、当日から職場復帰が可能です。日常生活もすぐに普段通りとなりますが、破砕片が尿管を通るため2日程度、血尿が出ます。治療回数は通常1回ですが、完全に石を砕くために2回以上の通院が必要になるケースもあります。場合によっては、結石の破片で尿路が詰まらないように尿管ステントを留置するケースがあります。

TUL

経尿道的尿管結石砕石術(TUL)は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の適応とならなかった場合や有効でないケースで適応となります。経尿道的尿管結石砕石術は、尿道から硬性尿管鏡を挿入し、モニターを見ながら空気圧式砕石装置(リソクラスト)またはレーザーを使って結石を直接見ながら破砕し、バスケットカテーテルで確実に回収するという手術です。TULの手術時間は2時間以内で、入院期間は5日以内が目安となります。手術費用は15万円以下が相場です。尿管が狭窄していて内視鏡が入らない場合は、内視鏡手術が難しいので他の手術方法を選択することになります。

 

PNL

ESWLやTULの適応とならない2センチ以上の結石は経皮的腎砕石術(PNL)が行われる可能性があります。経皮的腎結石砕石術(PNL)とは、特に腎臓の中(腎盂)に発生した珊瑚状結石の摘出に適応となることが多く、背中から腎臓まで腎瘻(じんろう)というカテーテルの通り道をつくって砕石する手術です。

ESWLやTULと比較するとこの内視鏡手術は侵襲が大きく、血液の集中する腎臓にカテーテルを挿入することから場合によっては輸血も必要になることがあり、オペに際しては医師の熟練した技術と豊富な経験が必要とされます。入院期間の目安は10日以内、手術費用は20万円以下となります。尿路結石は再発率が高く、治療費がかさむ傾向があります。

 

運動で治療する

尿管結石の治療として運動をすることが有効です。毎日の適度な運動は代謝を高めて尿の排泄を促し、石が出やすくなります(自然排出しやすくなる)。ジェットコースターに乗ったり、なわとびをしたり、ジョギングをしたりするとよいとされています。治療後の運動は結石の再発を予防します

応急処置の方法は?

突然の痛みを感じたとき、自力でできる応急処置があるとすれば薬局で市販の痛み止めの薬を購入することぐらいです。応急処置よりも医師の診察をあおいだ方がいいので、救急車を呼ぶか、タクシーに乗って大きな病院の泌尿器科に駆け込みましょう。もし夜間で病院があいていないときは、夜間専用の緊急外来の受付に行きましょう。

 

痛みをやわらげるには?

痛みはいつまで続くのかと考えてしまいますが、石が完全に尿道から外に出るまで続きます。痛みをやわらげるには病院で処方された薬を決められたときに飲む(座薬もあり)ことが有効です。TULまたはESWLの手術を受けたのであれば、我慢する期間は2日間程度で済みます。

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