健康

脳梗塞の前兆をチェックしよう!症状は頭痛やしびれです

脳の病気である脳卒中には、脳の血管が破れて出血するくも膜下出血と脳出血、そして血管が詰まってしまう脳梗塞の3種類あります。脳血管障害(cerebrovascular disease)の一種に分類される脳卒中は日本人の死亡原因で4位となっていて、なかでも脳梗塞が約6割を占めています。動脈硬化によって引き起こされる病気として心筋梗塞がありますが(別のページで解説しています)、やはり同じく前兆があります。

脳梗塞の前兆

脳梗塞の前兆をチェックして、予防に役立てましょう!さて、前触れとしての初期症状には、頭痛やめまい、しびれ、いびき(高血圧の原因にもなっています)、強い眠気、血圧の低下(特に早朝)、肩こり、首のあたりのピリッとした痛み、目がチカチカしたりぼやける、片方の目のまぶたがピクピクしたりモヤがかかったように見えるといった症状があります。脳梗塞(cerebral infarction)は脳軟化症とも呼ばれていて、血流が止まったり著しく減少した部分の脳細胞は機能しなくなる(壊死する)ためこのような初期症状が現れるのです。

 

これらは一過性脳虚血発作(TIA)といって数時間で治ることが多いのですが、発作を起こした人のうち約5%は2日以内(48時間以内)に脳梗塞を発症し、2日間大丈夫でもその後3ヶ月(90日)以内に20%の人が脳梗塞になるというデータがあります。TIA(一過性脳虚血発作)の症状は他にもあり、体の片側だけにしびれや麻痺を感じる、顔の半分に力が入らない、立ってまっすぐ歩けなくなる、ろれつが回らなくなる、言葉を聞いても理解できなくなる、片側の目が見えにくくなるなどしたら要注意です。

脳梗塞の前兆として頭痛が挙げられますが、特に若年性脳梗塞は偏頭痛が特徴となっています。痛みの発生している場所が分からなくなるような強い痛みを感じたら、躊躇せずに救急車を呼びましょう。日頃から症状をチェックしておき、飲み物が口からこぼれ落ちるなどしたら一過性脳虚血発作でないか疑いましょう。

 

治療の方法

脳梗塞の治療には、血栓溶解療法といって薬剤を投与して血栓を溶かす治療法が適用されます。t-PA(組織プラスミノーゲン・アクチベーター)という血栓溶解薬(Thrombolytic drug)を脳出血がないことを確認したうえで投与します。アルテプラーゼで体重1キログラムあたり0.6mgを点滴で投与します。血栓溶解療法は約4割の患者さんが症状がなくなるほど有効な治療となりますが、壊死した組織や脆くなった血管があるとそこから出血して出血性梗塞となる可能性があり、注意が必要です。発症してから4時間30分以内に適応となる治療法ですので、救急車を呼ぶのが遅れると動脈内血栓溶解療法や血管内治療(カテーテル治療)の適応となります。

発症してから6時間以内であれば、動脈内血栓溶解療法として、動脈から直径2ミリほどのカテーテルを挿入し、ウロキナーゼという血栓溶解薬を注入して血栓を溶かすという治療法が行われることもあります。t-PAによる血栓溶解療法が適応とならない罹患者や効果がなかった人には、メルシーリトリーバー(Merci Retrieval System)またはペナンブラシステム(Penumbra system)という最新の治療法を行います。この2つのカテーテル治療ができるのは、発症してから8時間以内の患者さんだけです。

 

血栓回収療法の一つであるメルシーリトリーバーは、プラチナ合金で作られたループワイヤーを動脈に挿入し、血栓の少し先まで通してからバネ状に展開させ、からめとって回収するカテーテル治療です。からめとった血栓は赤黒い色をしています。ペナンブラシステムとは、リパーフュージョンカテーテルという超小型の掃除機のような装置によって、血栓を吸引する治療法(連続血栓吸引術)です。吸引する際に、先端が少し膨らんでいるワイヤーをカテーテルの中から出し入れすることで、効率的に血栓を吸引することが可能となっています。

これら2種類以外にも、海外ではSolitaire FR(ソリテア)やTrevo Provue(トレボ)と呼ばれる血栓回収装置が実用化されています。ソリテアとトレボはメルシーリトリーバーやペナンブラシステムと比較して再開通率や生存率が高く、予後も良好であるとのデータが報告されています。ソリテアとトレボはどちらもステント型(筒のような形状)であり、X線透視下でモニターにより目視しながら手術が可能です。抗血栓療法では、動脈硬化が原因で発生する血小板血栓が作られるのを防ぐために、アスピリンやシロスタゾールなどの抗血小板薬を使用します。同じ抗血栓療法でも、原因が心房細動などになると、血栓が発生する場所が静脈になり、血栓の種類がフィブリン血栓となるため、ワルファリン(ワーファリンと表記する場合あり)やヘパリンなどの抗凝固薬を投与します。抗血小板薬と抗凝固薬は脳梗塞の再発を予防する効果があります

検査とデメリット

脳梗塞の検査をするには、CT(コンピュータ断層撮影:Computed Tomography)、MRA(磁気共鳴血管画像)、MRI(磁気共鳴画像:Magnetic Resonance Imaging)、心電図、血液検査を行います。CT検査は、脳に放射線の一種であるX線を照射して断面をコンピューターの画像として撮影する検査です。デメリットは放射線の被爆を受けることです。ただし、被爆するとはいっても、発癌する可能性は非常に低いので安心して大丈夫です。血管の鮮明な画像を得るために造影剤(ヨード造影剤)を静脈から注射器で注入することがあり、ヨード造影剤を用いた検査を造影CT検査といいます。副作用が発現率する確率は約3%となっており、症状は吐き気やかゆみなどです。ごく稀に浮腫や血圧の低下などの副作用があります。

MRIは磁気(磁場)と電磁波(電波)、そして体内にある水分を利用して断層画像を得る装置です。CTと違って放射線を用いないので、被爆しません。造影剤を使わなくても脳の血管の情報まで分かります。CTは骨に覆われた部位の画像が不鮮明となりますが、MRIは骨の影響を受けないため鮮明な画像が得られます。これまで使用されてきたMRIではトンネルのような形をしたガントリーと呼ばれる装置に横たわる形で検査を受けていましたが、最新の装置はオープンMRIといって閉塞感が少なく、閉所恐怖症の方でも安心できます。また、従来の装置特有の撮影中の大きな音も低減されており、子供やお年寄りの方も恐怖感をほとんど感じずに撮影ができます。

 

MRAの撮影する原理はMRIと同じで、造影剤も使用しません。MRAは脳動脈瘤や脳動静脈奇形など血管の異常を発見するのに役立ちます。心電図検査では、心房細動という不整脈がないかどうかチェックします。心房細動が起こっていると心臓の心房という部位が痙攣(けいれん)してしまい、心臓の中で血液が滞って血流が悪化(血圧も低下する)し、血栓が発生しやすくなります。

もし、心臓で発生した血栓が脳の動脈に移動してしまうと心原性脳塞栓症という脳梗塞になってしまいます。心房細動は心原性脳塞栓症の原因となりますので、心電図検査が必要になるわけです。血液検査ではアクロレインという細胞障害物質と炎症マーカーの血中濃度を測定して隠れ脳梗塞がないかチェックします。この脳梗塞マーカー検査は保険が適用されないため、費用は全額自費となりますが、1回につき1万円以下とそれほど高額ではありません。

 

予防のためにできること

脳梗塞の予防のためには、体を常に健康な状態に保っておくことが大切です。若年性脳梗塞といって20代や30代の若い人でも発症する可能性があります。高血圧、高脂血症、不整脈(心房細動)、糖尿病は脳血栓のリスク要因になりますので、これらの病気にかかっている人は完治を目指して治療をしましょう。若年性脳梗塞を予防するために、大量の飲酒、喫煙、肥満の解消も心がけましょう。タバコを吸う人は非喫煙者と比較すると、脳卒中で死亡する確率が非常に高くなります

また、運動不足は糖尿病や肥満の原因になりますので、日頃から適度な運動をするようにしましょう。高齢者の方は運動が難しいという場合もありますが、体操ならできるはずですので、座りながらでもできるだけ体全身を動かすようにするといいでしょう。さらに、高血圧を予防するために食事は減塩したものを食べるようにするとよいです。漬け物をたくさん食べたり、醤油をかけすぎたりするのは脳血栓や高血圧の原因となります。食事はできるだけ動物性脂肪やコレステロールを避けたものをとりましょう。予防のために食事を変えることが重要です。

食事の重要性

動物性脂肪の多い食品は、肉、牛乳、卵、チョコレート、アイスクリームなどです。コレステロールが多い食品は、キャビア、いくら、しらす、たらこ、するめなどです。できるだけ野菜と魚をたくさんとれるような食事にして、ビタミンの摂取を意識しましょう。足りないようであれば、ビタミン剤のサプリメントを飲むなどして血管年齢を下げる努力をすると良いでしょう。ビタミン剤はインターネットで購入すれば非常に安いです。例えばDHCのマルチビタミンのサプリは3ヶ月分で1000円もしません。

 

上記のリスク要因はそのまま脳梗塞の原因となることもありますので、定期的に健康診断に行ったり、金銭的に余裕のある方は脳ドックを受けたりすると予防になります。ちなみに、脳ドックの費用の相場は、3万円から5万円となっています。

代表的な症状

脳卒中(脳梗塞)の症状は前兆よりもはっきりとしており、特に周囲に他人がいる場合はすぐに気付いてあげられます。言葉を明瞭に発音できなくなる構音障害(構語障害ともいいます)、自分が思っていることを言葉にできなくなったり書けなくなったりする運動性失語症(ブローカ失語症)、言葉は正しく発音できるのに意味が理解できなくなる感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)が代表的な脳梗塞の症状です。

 

他の症状は前述の前兆をさらに悪化させたようなものが多く、歩いているときに転倒したり、片足を引きずって歩いていたり、両目の視野の半分が欠けてしまう半盲(homonymous hemianopsia)になったりする例が多いです。半盲になる原因は、視覚を司る後頭葉という脳の部位の後大脳動脈が閉塞してしまうことです。

後遺症は3つ

脳梗塞の後遺症は主に3つあります。一つ目が片麻痺(hemiplegia)です。半身麻痺ともいって、体の片側がほとんど動かせなくなったり、運動機能が低下したりします。(なおちゃんのおじいちゃんがまさにそうでした。)また、暑さや寒さなどの感覚が分からなくなったり、痛みを感じられなくなったりしてしまう感覚障害が後遺症として発生することがあります。

 

二つ目が上述の言語障害、三つ目が認知障害(Cognitive disorders)です。認知障害は認知症とほぼ同じ症状が出ますが違いもあります。例えば、せん妄(delirium)です。せん妄は意識障害に加えて幻覚や錯覚といった症状が加わり、さらに精神の異常な興奮を引き起こすこともあります。せん妄はたびたび認知症と間違われますが、健忘症(物忘れ)だけでなく上記のような症状も現れます。嚥下障害がでると食べ物を飲み込みづらくなります。

脳梗塞のリハビリは入院中からすぐに開始となります。これは手や足が屈曲したり、筋肉が萎縮したり、床ずれになったり、骨がもろくなったりするのを予防するためです。理学療法士または作業療法士の指導のもと、手足の曲げ伸ばしから始めて歩行の訓練を行います。リハビリの期間は個人差がありますが、発症前の段階まで完璧に回復する例は少ないのが現状です。

 

死亡率と再発する確率

日本人の脳梗塞の死亡率は約15%となっています。死亡しなかった場合でも、約半数の患者さんに何らかの重度の障害が後遺症として残ります。重度の障害ですので、介護が必要となります。死亡率はそれほど高くないと思われがちですが、問題なのは完治が難しい後遺症です。

3年以内に再発する確率は、全体の約25%です。1年以内に再発する確率は、ラクナ梗塞とアテローム梗塞が5%、心原性脳梗塞は8%です。どの種類でも1年以内の生存率は90%以上となっています。ただし、これは罹患して生き残った人の生存率である点に注意してください。脳腫瘍と比較すれば再発する可能性は低いです。

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